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火は遠くになりにけり


今作っているモノを燃えた後の状態にしたいのに、
燃やせる場所がない。

以前、試しで小さいのを燃やしたときは、
水バケツも用意してブリキバケツの中で燃やした。
思った通りに、大変よく燃えた。

隣の公園が砂地なので安全なのだが、念のためマンションの管理人さんに
「今からちょっと隣の公園でモノを燃やすので煙が上がるかもしれませんが、危なくないように気をつけますので大丈夫です。」
というお知らせをしてみた。

余計な心配をかけたくなかっただけなのだが、口に出したら確かに怪しげな人になってしまった。
管理人さんは優しいので、
「はあ…。どんど焼きか何かですか」
とニコニコしながらも心配そうにチロチロ見ている。

言わなければ良かった。

今日は、大きめのモノを燃やしたくて、隣の公園では無理かもしれないと思い、子どもたちがたき火を体験できるプレーパークに相談に行った。
「ちょっとモノを燃やさせてほしいのですが」
と説明したら、丁寧に断られた。

理由:
①これは、子どもが、火を使うという体験をするための場所である。
②今回認めると、近所の方が「自分も燃やしていいか」と、色々なものを持ってくるかもしれない。

そうかなあ。そんな、むやみやたらに燃やしたい人がいるようにも思えないけど。最近はたき火にも花火にも
うるさくなったから、燃やせる場所がないんだけど。

だが、ダメと言われればそれまでよ。

誰かに聞いたら「ダメ」と言われるような事なんだろうな、と、何となく分かったので、川の中州にある、石でできた小島に渡って燃やしてみることにした。
大安全だ。

中洲の小石の地面に針金の支柱を立てて、火をつけた。

火がつかない。

川の風に対してチャッカマンの火が弱い。

やはり油ベトベト新聞紙がなければだめなのか…と
いじっていると、インド人風の若者が明らかに自分を
目指してやってきた。

「やあ。何やってるの?」
「モノを燃やそうとしてるんだ。」
「フーン…。どこに住んでるの?」
「この辺。」
「誰と?」
「家族と。」
「遠くから見たら男の人かと思った。」
「うん。ううん。」

気持ちに余裕がないのでアンフレンドリーコミュニケーションで、英語も適当。インド人風はしばらく見ていて去って行った。

直しながら、インド人風にちょっと悪かったかなと思う。この辺で誰と?って、まさかこの多摩川河川敷の
ブルーシートテントの住人だと思われた?
誰と?ってふつう聞かないよな。
「うん。ううん。」ももう少しちゃんと答えても良かったけど、取り込み中だしな。
「思ったんだね。違うんだよ。」って言いたかったんだけど「自分は男であり、また、そうではないのです」と受け取ってたりして。

燃やしたがってて。
多摩川河川敷に家族で住んでいて。
男か女かよく分からない。
私だったら近づかないよ。


と、いうような事をグズグズ思いながら直していたが、「こりゃだめだ」と見切りをつけて、
家に帰る。

火は遠くになりにけり_a0244523_21555422.jpg




by watanabeyukow | 2013-11-12 21:56 | Diary


わたなべゆうこ のブログ


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