福竹
薫堂の文章を読んで気になっていたお好み焼き屋さん、「福竹」に行く。
薫堂の手に乗るのは悔しいが、旨そうだ…。
お好み焼き屋さんって材料切るだけじゃんか、と思っていたら大間違いだった。
独特な少量の生地、火の入れ方や焼く時間は、完全にアンダーコントロールされていた。
客席は五卓しかないが、おばちゃんとお姉さんは、その五卓をひっきりなしに移動しながら、
全てのオーダーを焼き回る。客は手を出さない。しかも、
「はい、これは今、塩だけで食べて。」「今度はこのゆず胡椒とたれで。」と、
手を動かしながら、変化ある食べ方までも指示。そして、その度に新しくおいしい。
目の前の鉄板で焼かれていくので、一瞬が勝負だ。
片面を焼き始めて、「はい、10分経ったら呼んでください。」呼ぶと戻ってきて、ひっくり返してくれる。
「7分経ったら呼んでくだ」「はい!」怒られそうで、声もうわずる。
と、書くと、面倒くさそうな店みたいだが、威張っているわけではない。辛口だけど。
おばちゃんとお姉さんはサービスの鬼のように、トークとパフォーマンスを繰り広げ続ける。
「どこの店がこんなに喋ってくれる?!」
「どこがどうって事じゃないのよ。考えないと答えは出ない。飾りじゃないのよ頭は、ハッハーン‼」
素晴らしき哉…プロ意識。
2時間ほどいた間中、おばちゃんとお姉さんは、人を笑わせつつ中腰で焼きつづけていた。
それぞれの完璧な焼き按配をはかりながら。
ふくたけ天
by watanabeyukow
| 2014-07-19 23:36
| Diary
わたなべゆうこ のブログ
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